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メラトニンの効果

メラトニンというホルモンが概日リズムの設定や睡眠に関係するという話を皆さん聞いたことがあるかと思いますが、実はこのメラトニン、グルタチオンに勝るほど強力な抗酸化物質であることが近年の研究で明らかになっています。

血中を循環しているメラトニンは、脳の松果体から分泌され、暗さが分泌の刺激になることから、夕方以降は照明を暗めにすることや、寝室は遮光カーテンなどで真っ暗にすることなどがよい睡眠のために大切ということは一般的にも知られています。しかし実は、体内のメラトニンの半分以上は細胞の中のミトコンドリア(エネルギー生成を担う小器官)で作られているらしいのです。

ミトコンドリアでのメラトニン生成を刺激するのは、太陽光の近赤外線です。近赤外線は、肌はもちろん頭蓋骨をも通り抜け、体内の細胞へと達し、メラトニン生成を促します。ミトコンドリアはエネルギーを作る過程で大量のフリーラジカルを出すので、それを抗酸化効果のあるメラトニンが中和してくれるというわけです。直接日光にあたらなくても、赤外線は芝生や土から反射されるので、例えば帽子をかぶっていたりしても、ただ外にいるだけでも恩恵を受けることができます。また、赤外線は火や白熱灯からも出ています。私達人間が焚火、暖炉、ろうそくの火などを好むのはそういう理由もあるのかもしれません。最近は電球などはLEDのものがほとんどなので、残念なところです。

昼間は太陽の光を浴びることで細胞内でメラトニンが作られ、酸化ストレスやフリーラジカルに対応する。日が沈んだら松果体からメラトニンが分泌され、ぐっすり眠ることを可能にする。その結果、健全な精神と免疫機能が養われる。自然の摂理に沿った完璧な仕組みがきちんと備えられているんですね。

人工的な光しか浴びていない子供は学力が低下する傾向にあるというスタディーもあり、太陽の光を浴びないことが痴呆に関係するとも言われています。脳細胞の集まりである灰白質が頭皮に近い脳の表面部分に集中しているという事実も興味深いところです。日本の「美白」の文化は、ビタミンD欠乏を招くだけでなく、色々なメカニズムで我々の健康や発達を阻害しているように思えてなりません。

酸化ストレスは炎症を引き起こし、免疫力を下げ、老化を促進し、様々な病気の原因となります。そのストレスに対抗するのが抗酸化物質であり、その中でも強力な戦力となるのがメラトニンです。太陽の光を浴びることがほとんどなくこもりがちになる冬に風邪をひきやすくなるということも納得がいくのではないでしょうか。近赤外線はガラスを通ることができるようなので、冬の寒い時期でもカーテンを開けてできるだけ日光を浴びるようにすると良いと思います。

まだまだ寒い時期は続きますが、昼間はできるだけ太陽光を浴びて、免疫力向上に努めていきましょう。

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  • 登録日 : 2022/01/13
  • 掲載日 : 2022/01/13
  • 変更日 : 2022/01/13
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