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2021年12月 23日更新

第1回 : アメリカのでの起業 ~会社設立~

アメリカでビジネスを展開する場合、個人でするのがよいのか法人の方がよいのか、最適なビジネス形態選択を迷ってしまうケースは多いと思います。また、法人を設立するにしても種類があり、いったい何を選択すべきか判断に困ることもあるのではないでしょうか?

まず、個人と法人とでビジネスをする場合のメリット・デメリットを把握しておくことが、どちらを選択すべきか判断するのに役立つでしょう。

個人と法人のメリット・デメリット
個人(個人事業主)
【メリット】
  • 事務手続きが簡単である。
  • 比較的単純な税務処理と申告の手続きで済む。
  • 登録費用負担が少ない。
  • 銀行口座開設が簡単である。
  • ビジネスの所有権所在が分かりやすい。
【デメリット】
  • 責任に制限がない(いわゆる無限責任)。
  • 信用を得るハードルが高い。
  • 第3者からの出資を集めづらいためビジネスを大きくしづらい。
法人
【メリット】
  • 法的な防御と責任の制限(いわゆる有限責任)がある。
  • 社会的信用が得られやすい。
  • 第3者からの出資を集めやすいのでビジネスの規模を大きくするのに向いている。
  • 個人では経費にできないものを経費にできる。
【デメリット】
  • 事務手続きの煩雑化や必要な書類作成が増える。
  • 税務処理や申告がより複雑になる。
  • 登録手数料や法人維持費が発生する。
  • ビジネスオーナーが増えることで経営の自由度が減る可能性がある。
  • 銀行口座開設や維持・事務手続きが煩雑である。

以上、個人と法人のメリット・デメリットを列挙しました。

それぞれの特徴を簡単にまとめると以下のようになります。

個人

事務手続き・維持が簡単だが、責任が全て個人にのしかかり、外部からの資金調達をするのもやりづらく、大きくビジネスを展開することは向いていない。

法人

事務手続き・維持は煩雑だが、個人が法人によって法的に守られ、外部からの資金調達をしやすいため、大きくビジネスを展開するのにはほぼ必須である。

どちらがよいか、どんなタイミングで個人から法人へ切り替えるのがよいかということはケースバイケースなので一概には言えませんが、ビジネスをまず始めてみようという場合、個人事業主としてビジネスを開始し、軌道に乗ってきた頃、より大きくビジネスを展開しようというタイミングで法人に切り替えるという流れがよくある例ではないかと思います。

また、法人を設立するといってもいくつか種類があり、その種類によってもメリット・デメリットがあります。ここではよく選択肢に挙げられるCorporation(株式会社)とLLC(有限責任会社)を見てみましょう。

法人の種類とメリット・デメリット
Corporation
【メリット】
  • 株式発行によって大きな資金調達をするのに向いており、株式市場で上場も可能である。
  • 非課税企業再編 *が可能である。
【デメリット】
  • 設立時に準備すべき書類がより多い。
  • 法人税と給与に課せられる所得税による二重課税がある。
  • 取締役会設置や年次総会開催・議事録作成など法律によって求められる要件がある。
LLC
【メリット】
  • 設立時に準備すべき書類が少なくて済む。
  • パススルー **により、法人の課税はなくオーナーへの課税のみになるため二重課税を回避可能となる。
  • 税務上、Corporationとして取り扱われる選択もできるため、タックスプランニングをより柔軟に行うことが可能である。
  • 取締役会などの設置義務はなく、オーナーの人数制限もないため法人運営を柔軟にできる。
【デメリット】
  • 上場はできないため大きな出資を募ることが難しい。
  • 非課税企業再編ができない。

重要な箇所に限定し補足説明致します。

* 非課税企業再編 : さまざまな理由でビジネスを売却・買収したいという場合がありますが、Corporationであれば株式の譲渡によって行うことができ、しかも一定の要件を満たしていればこの手続きを非課税で行うことができます(厳密に言えば課税の先延ばし)。LLCにおいては原則事業売却時に課税対象となるため、吸収・合併による企業再編は行いづらいものとなります。

** バススルー : LLCは法人格を有してはいますが、それ自体には課税がありません。LLCの利益は法人で課税されずオーナーへ分配され、それぞれのオーナーが申告・納税をします。これをパススルー課税と呼びます。

ビジネス形態や法人の種類の最適な選択をするためには、まず現状を正確に分析・把握することが第一歩となると考えます。専門家にご相談されることも非常に重要なことですが、その前にまずはご自身で十分な理解を持つことが、ビジネスを行う上においても大切なことになります。

2021年12月 23日更新

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米国公認会計士・MBA武曽 俊二(むそう しゅんじ)(Muso & Co)

米国公認会計士。米国の会計・税務歴40年。武曽公認会計士事務所はカリフォルニア州ロサンゼルスを拠点に30年以上に渡り、税務・会計のサービスを提供。テキサスでのアパートの売買や不動産投資・不動産管理業務にも精通。2010年にはネバダ州ラスベガス、そして2014年より、テキサスのサンアントニオとヒューストンの事務所を開設。またこの地域に限らず、米国の各地でビジネスを展開されるお客様をサポート。米国で活躍されたい日本企業の皆様を応援しています。

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